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ニュース・コラム

浪江町での取材

2015年10月24日
PPC EYES

先月、福島県浪江町でイベントの取材立ち会いがありました。
浪江町は「なみえ焼きそば」がB-1グランプリをとったことで一躍有名になりましたが、福島第一原発の近くに位置し、事故によっていまだに全町民が避難している町です。けれども、その中で国道6号線沿いの海側地域は、風向きの関係で線量が低く、避難指示解除準備区域(平成29年4月解除予定)となっているため、許可を受ければ昼間の立ち入りが可能で、実際にローソンなど、既に事業を行っている企業や団体もあるようです。
浪江町を走る国道6号線が全線開通する前に、南相馬市側から当時の通行止めまでの区間を車で走ったことはありましたが、その時はほぼ通過しただけだったので、実質的に初めての浪江町訪問の機会となりました。

複雑な第一印象 
第一印象は、正直、時間が停止したかのような被災状況を目のあたりにしてショックでした。そのなかでも復興に向けて頑張っている人や新しい動きが所々に見られるなど、目に映るものが混沌としていて、すぐには消化しきれない、そんな複雑な思いがありました。
今回はいわき市側から北上したのですが、まずインパクトを受けたのは、道の両側に設けられたバリケードです。帰宅が許されていない地域では、側道だけではなく、民家を含むあらゆる施設の前に銀色のバリケードが設置されていて、まるで映画のセットのような異様な光景が延々と続いている、といった感じです。町には色褪せていない看板類が多く、その案内に沿っていけば、普通に人が賑やかに集まっている場所があるような、不思議な感じを漂わせています。ところが、人気が全くない店舗の前で「営業中」の文字を点滅し続けている電光掲示板を見たときは、なんともやりきれない気持ちになりました。
小学校の黒板で有名になった請戸地域は、津波に流された集落の跡が生々しく残されている一方、整地され鉄板に囲まれた仮置き場や大きな焼却炉が、異様な存在感を放っていて、その様子が今でも目に焼きついています。

復興への息吹を感じたイベント 
取材立ち会いをしたのは、花の栽培を通じて復興を目指すプロジェクトが実施したイベントです。東京や仙台から若い学生を招致して花積み体験などとともに町づくりに参加してもらう、という初めての試みでした。イベントのテーマとなった「りんどう」は、福島県の代表的な農林水産物のひとつです。
周りに全く人気のない畑のなかで、小雨交じりの肌寒さにも負けず、学生たちのにぎやかな声が響き渡る光景は、新しい息吹のようなものを感じるものでした。「これからの新しい町づくりを若者に託したい」と熱く語る主催者の言葉が心に残っています。



震災からもうすぐ5年経ちますが、復興へのスタートラインにようやくたどりついた、というのが浪江町の現実だと思います。勿論、まだそこまでにも達していない地域も多くありますし、復興という言葉に込められる関係者の思いも、千差万別でしょう。
業務として福島県に数年携わってきていますが、これまで訪れたのは県内でも復興が進んでいる地域が多く、あらためてPRですべきことはなにか、考えさせられる機会でした。 (GO)

   
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